2006年11月10日
壁はどこに?
映画「ロード・オブ・ザ・リング:王の帰還」のロヒアリム登場シーン。僕が大好きなシーンですが、何度見ても残念なことがひとつあります。
角笛の音と共にロヒアリムが丘の上に登場し、セオデンが指示を出します。
"Eomer, take your eored down the left flank.
Gamling, follow the King's banner down the center.
Grimbold, take your company right after you pass the wall.
Forth, and fear no darkness !"
日本語に訳すと、だいたいこんな感じ?
「エオメル、部隊を率いて左翼を進め。
ギャムリング、王旗に続いて中央を進め。
グリムボルド、城壁を過ぎたら右に展開せよ。
進め!闇を恐れるな!」
eored というのは、ローハンの部隊のことを言います。
で、問題はここ
"Grimbold, take your company right after you pass the wall"
原作に詳しくない人が見たら「城壁って何? ミナスティリスの中まで突撃するのかな?」と思うことでしょう。しかし、このあとのシーンで、ロヒアリムは一切ミナスティリスの中には入りません。ペレンノール野の荒野でのみ戦っています。なんだかよく分からないですよね。グリムボルドさんは壁が見つからずに、どこで右に展開すれば良いのか分からなかったんじゃないでしょうか。突撃しながら「???」な気分だったのかも知れません。もしかしてセオデン王が耄碌...(以下検閲)
実は原作ではペレンノール野の外側は、ミナスティリスを中心に円を描いて長大な壁が取り囲んでいます。これをランマス・エホールと言います。そもそもペレンノールというのはシンダール語(エルフの言葉の一種)で「垣根のある地」の意味。ランマスの壁に囲まれているからペレンノールと呼ばれているわけです。本当はこの "after you pass the wall" の "wall" はランマスの壁を指しています。原作でも同様のシーンがあります。
"Eomer, my son! You lead the first eored, and it shall go behind the king's banner in the centre.
Elfhelm, lead your company to the right when we pass the wall.
And Grimbold, shall lead his towards the left."
登場人物の違いや配置の違いはともかく、同じような指示を出しているんですが、これはランマスの壁の外です。このあとランマスの壁の内側に入る際に部隊を展開しろと言っているのですね。
ところが映画の方は、ランマスの壁が一切無かったことにされています。少なくとも画面には映りません。ロヒアリムの登場から、そのままオークの軍団に突っ込んでいくようにシーンがつながっているので、せっかく原作のここからセリフを持ってきたのに、"after you pass the wall" が意味不明になってしまっています。
映画のロヒアリム登場シーンがものすごく感動的なので、このちょっとした庇護がどうしても気になってしまいます。とっても残念です。
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うーん、字幕で見てた英語苦手人の私としては、何の違和感も持たずに映画は映画・・・と見てたんですが。そうなると、英語圏の人たちは、このせりふを聞いて、なんのこっちゃあ?!だったのかな?
ゆっくり時間を取れるようになったら、またDVDを見てみなきゃ・・・
検証してみました。
日本語字幕
「エオメル、お前は左翼に回れ
ギャムリングは王旗と中央へ
グリムボルド、お前は右翼に回れ」
日本語吹き替え
「エオメル、そなたの部隊は左翼を進め
ギャムリング、王の旗を立て中群(軍?)を行け
グリムボルド、城壁を過ぎたところで右翼に広がれ」
なるほど、こう見ると日本語字幕だと分からないんですね。
Dioさん、やっぱり日本語吹き替えが最高ですよ。
声質も声優さんの方が威厳がありますし(爆)
どうしても限られた時間で話を完結しないといけないものは
原作とあちこちであれ??とかおもっちゃいますよね??
わたしなんか
小学校の時に呼んだ『家なき子』が
映画では全然話が違う~~って
怒ったことがあります
でも私の読んだのは原作じゃなかったし・・・
最近では友達が『のだめカンタービレ』のマンガを薦めてくれてたのですが
読まなかったのでドラマの方で楽しんでますが
友達はマンガと違うっ~~て言って
見ようとしないんですよね~~
似てるけど違うって思わざるを得ないですよね???
もしくは設定の切り替えスイッチみたいなものがいる???(本と映画のあいだに・・・)(笑)
原作と映画が違うのは気にならないんですよ。
The Lord of the Rings の場合、映画の構成はとても良くできているし、原作から改変したところも納得のいくものです。各所に原作に対するリスペクトが感じられますし。
気になるのは、映画の中での不整合なんです。
今回の場合は、脚本陣はセオデンの台詞を原作から持ってきたかったのだと思います。けれど、壁を画面に出さないなら"after you pass the wall"はカットするしかないと思うんですが、いろいろ設定が変わっていく中で残っちゃったんでしょうね。